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noraneko

2004年08月11日

メモその4「満州国の意義と関東軍の言い分」

「死ぬのはやつらだ」さんの所で議論になっている。いわゆる「日本悪玉論」に対して異論をぶつけたのが良くなかったらしく、いろいろな意味で盛り上がっている。
 そこへのレスを書いているうちに、本編に使った方がいいと思ったのでこちらに掲載。
http://sapolog.com/u/5028/%c2%e7%c6%fc%cb%dc%c4%eb%b9%f1%a4%cf%b7%f9%a4%a4%a4%c0/0000107389.trackback
 こちらの記事についても若干触れます。
>満州国の意義について

 あちらで「通州事件」に関する日付と翼東防共自治政府についてご指摘をいただきました。ありがとうございます。
「翼東防共自治政府」については資料を探しているところですが、今のところ見つかっていません。中華民国と満州国との緩衝帯として作られたものかもしれませんが、あまり実体として活動していなかったのかもしれません。それに関しては、引き続き調べるつもりです。
 さて、当時の中華民国は「革命外交」と称して、日本との停戦協定を再三にわたって破棄し、満州の返還を求めていました。
 これは、ユーゴの内戦時にセルビア人勢力が主張していた「大ユーゴ主義」とそう変わらないでしょう。日本が治安維持に貢献し、満州族や亡命ロシア人、重税にあえいで周辺地域から流入した住民達によって、今で言うクロアチアに近い形での多民族国家が成立しようとしていた。

 古来から中国の歴代王朝の領土は変化し、異民族の国家が並立する時代も珍しくなかった。敢えて主張するならば、満州は清国を作った満州族のものであって、中華民国を構成する漢民族固有の土地ではないのです。
バルト三国のように、ロシア人が人口の半数近くを占めながらも成立している国家も存在する。
 現在存続する国家の全てが、自然発生的に出来たわけでもない。イスラエルなどもテロをきっかけに再興されたものですし、満州国もグレーゾーンに位置する国家だと考えています。

 漢民族の立場から考えれば、チベットや新彊ウイグル自治区も「固有の領土」という事になる。諸国家のように感覚的な国境線が画定しているケースと異なり、彼らの「国境」とは曖昧なものかもしれません。
仮に中国が民主化していくとすれば、チベット・新彊自治区を含めた少数民族の独立、漢民族の地域もいくつかに分裂した連邦制国家になると予想しています。

 日本は安全保障上の問題から、日清・日露戦争を戦い抜きました。満州事変は、短期的には「租界」を持たない日本人居留民の保護。長期的には、常備兵力四百万を越えるソ連に対する防波堤という見地だったと解釈しています。そしてそれは、現地住民の利益にもなっていた。当時の中国全土が内戦と重なる重税で疲弊していたのは、周知の事実です。
 それらの行動を、現在の視点から「悪」と言うことは簡単ですが、安全保障の代替案を示せなければ片手落ちに過ぎない。
 支那事変に関しては、日露戦争のように引き際を見極められなかった、日本政府の落ち度は指摘されるべきです。ただし、米国から受けた多額の援助を個人資産とし、国土で焦土戦術を採りながら戦った蒋介石の事も忘れてはいけないでしょう。
 仮に、日米戦が引き分けに終わっていれば、満州国は今でも存続していたかもしれません。

>関東軍とか

>関東軍の多くが南方に引き抜かれたのと、残留関東軍が軍用列車で真っ先に逃げ出し、女子供を置き去りにしたのとまったくカンケイナイじゃないか。

 僕や他の方が書いた内容を無断転載してくださる人物が居るので、引用する手間が省けて助かります。
 こちらとしては、淡々と「敗者の主張」を調べ「物理的事実」を知ろうとしているだけなのですが、「日本軍は絶対悪だった。それへの異論は許されない」と考える方には、不愉快のようですね。
 よく言われる「関東軍は逃げた」ですが、それは全体的な事実を指摘したものではありません。機会が有れば、「関東軍参謀 怨嗟の中に立つ悲劇の軍人伝(小松茂朗)」や「投降せず栄光の帰還 関東軍終戦秘話(鈴木武四郎)」、「最後の関東軍 勝どきの旗のもとに(佐藤和正)」を読んでみてください。
 関東軍は兵力五十万といっても、ほとんどは新兵。航空機は百機足らず。対するソ連軍は、独ソ戦で鍛えられた300万に加え航空機千五百機。これらの書籍には、物理的な防衛など不可能な状況での苦闘が記されています。
 もちろん、フィリピンから逃げた富永恭次第四航空軍司令や、寺内寿一元帥のような人物も居るが、こういう人達の話も知らなければ、一方的な評価にはなりませんか?

 知ろうとする姿勢そのものが「美化」だと言うのなら、それはあなたが自分の欲しい結論を固定化させてしまい、無謬主義に陥っているのではないでしょうか。そして、過ちを認めることが怖いからこそ、こちらへの表現が過激になっていくのではないでしょうか。

 民族や国家の数だけ「正義」というものはありますが、物理的事実は一つです。権威主義に陥らずに正確に検証する事が重要になります。「証言」も単体では信憑性が薄いから、いろいろな立場の方から意見を聞いて比較検討する事になる。
 自らの意見と反する資料にも目を通し、自分自身の頭で考え続けるべきでしょう。そうすれば間違いがあっても再検証が出来るし、情緒的な空気に流される事もありません。
 ……もしも、その時ごとの「勝ち馬に乗る」のが目的なら、無理に止めはいたしません。ご自由にどうぞ。

>意見の削除とか

 こちらが書いた意見を、自分から削除する事はありませんのでご安心ください。他の方がここに書かれたものも同様です。仮に間違っていたとしても、それに関する「訂正意見」を書き加える形で更新します。それが「記録」というものです。
 削除しようと、匿名意見であろうとも、それを書いたという「物理的事実」からは逃れられません。そちらで書かれた方々も、そのくらいの責任感は持ってらっしゃるはずですね。
 パソコン通信時代を知るロートルとしては、どのレスもHN無記名の「ゲスト」というのは多少面倒です。誰に対してレスしているのか、前にも書いた人物なのかが解りにくい。出来れば、固有のハンドル名を使ってほしいところです。そうしていただければ、名指しでレスをお返しします。

>死ぬのはやつらださんの記事について

 そちらで重慶爆撃として使われている写真は、当時の「TIME」誌で掲載されたものです。防空壕でのパニックによって、避難民が圧死・窒息死を起こしたもので、重慶爆撃の犠牲者ではありません。「ピースおおさか」などでも展示されていましたが、ミスを指摘されて今は撤去されています。
 機会があれば、「プロパガンダ戦「南京事件」 秘録写真で見る「南京大虐殺」の真実(松尾一郎)」をどうぞ。現在使われている写真の多くは、国民党がプロパガンダとして利用したものや戦後の出版社のミスによるもの。
 戦争被害を訴えること自体は否定しませんが、正確な内容であるべきと思います。

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この記事へのコメント
重慶無差別爆撃がなければ、起こらなかったということだよね。
Posted by 死ぬのはやつらだ at 2004年08月11日 04:24
大日本帝国は嫌いだ
なんだよ。
Posted by 死ぬのはやつらだ at 2004年08月11日 04:28
こと北国においてだけ言えば、戦前の日本の振る舞いに批判的な人種の北国における振る舞いに対してとてもじゃないけど肯定的にみることは出来ないですね。「アメリカの正義に立てつくとはなんと不遜なヤツラだ。」ってのと同じ匂いがプンプンします。戦前の日本とか、イラクにおけるアメリカの振る舞いを「虐殺」と断じる方々が、反論を述べる人種を嵩にかかってぶったたく構図には違和感を感じますね。

旧軍や今のアメリカが間違っているという立場に立つのなら、野良猫さんの間違いを「折伏」するのが筋ってものではないですか? 「折伏」する力が無いことを自覚しての発言だというなら分からなくも無いのですけど。
Posted by ゲスト at 2004年08月12日 03:01
正確に伝えるって点では、写真の件でもそうですが、劣化ウラン弾などについても、感情論でかかれちゃって興ざめしているところがあるね。正確に論理的に理解をするってのは、簡単ではないのかもしれないけど。。。強引に自分たちに都合の良いようにつなげるんじゃなくて、誰が読んで説得力がある内容にしてほしいねといい書いた方がいいかな。。。

大きな問題って言うのは、正確な記述無しに考え方が違う人へ理解はされないってことだけははっきりしているね。考え方が似通っている人同士ならば、その辺は多少甘くても理解はされるけど、逆の立場なら甘さが目立つからね。
Posted by ゲスト at 2004年08月13日 08:41
この御仁相手に議論しようとしても無駄でござんす。
結局は「ムカつくから削除!」となりますので。
間違った記事を書こうが「俺のブログに何を書こうと俺の勝手」だそうなので。
まあその辺の犬のウンコを踏んでしまったものだと思って忘れて以後相手にしないことをお勧めします。
Posted by ゲスト at 2004年08月14日 23:51
>「北国」という場所について

ある程度の反論は予想はしてましたが、あれほどの数とは思いませんでした。blog事情はよく解りませんが、北国では政治の話題に関心が強い方が集まっているようです。。
激しい反応をいただけた事で、自分の考えを煮詰める事も出来ました。
この場で誰かの考えを全否定したり、こちらの結論を強いるようなつもりはありません。ただ、自分の考えを突き詰める為の足がかりにできれば、と考えています。

史料を確認できるサイトなども教えてもらえましたし、プラスにはなっています。

>正確に伝えること

他でも書いたことですが、直接会って話をするのとネット上で掲示板でやりとりするのでは、伝わる情報量が違います。だから、誤解をしないように一つずつ確認を重ねていくやり方をとってきたつもりです。
しかし、こちらの意図が伝わらなかったり、論理の飛躍に見える主張に賛成する人が大勢居るのを見てから、それだけの問題ではないのでは、と思うようになりました。

言葉の定義のすりあわせが失敗しやすいのは、思考タイプが違う人間が居る。つまり優劣の問題ではなく、脳内の基本OSみたいなものがそもそも違うんじゃないか……? あえて分類するなら「直感型」と「論理型」というところか。
前者には、自分達の主観的な感覚が普遍的なものである「はず」という前提がある。それは漠然として情緒的な面が色濃く影響しているから、共鳴する人間とは即座に分かり合えるが、そこまで共通する感覚がない場合は、意志の疎通が難しくなる。直観的にニュアンスをくみ取れるから、断片的な説明でも理解しあえるのでしょう。
これの短所は、似たタイプの人と得られる共感を当然の感覚と思ってしまっている事。だから、自分に合わない相手とは距離をとり、同じ感覚を持つ人とより親睦を深める方向に進みがちになる。
そして、それが結果的に自分たちとは違う「言語空間」を持った人間との距離を置くことになってしまう。 悪く言えば「排他的」な傾向ということ。ナショナリズムを否定する集団が「偏狭なナショナリズム」に陥るというようなケースは、実は珍しい事ではないのかもしれません。
直感型は論理型のように一つずつ確認しなくても、過去の経験から結論を導き出せる長所がある。ただし、過去に蓄積された情報が客観的なものでなければ、正解にたどり着く保証は無いわけです。そして、その結論を出した過程をうまく自分でも説明できないから、検証などもやりにくいのが欠点でもある。

……まあ、「論理型」とて時間をかけて考えたからって、正解率が高いとは限らないんですけどね(苦笑)。
こんな風に考えておけば、理解できない相手を「悪」と憎んだり、自分の説明力不足を過度に嘆かなくてもいいのかな、なんて考えてます。長すぎましたね。これも、本編で題材にするべきだったかも。

>議論の価値とか

勝ち負けや損得という意味ではなく、次に生かせる教訓や知識が得られるかが議論の意義だと考えてます。ですから、仲の良い関係を誰かと作るためというよりも、自分の利益を追求している一面は否定できません。
テキストを書きながら、「申し訳ないなあ」と思うこともしばしばです。
それでも止めないのは、僕が「悪人」だからなのでしょう。こんな自覚があるせいか、「右翼」、「人格破綻」などの単語では傷つかないようです。みかんをみかんと呼んでも何の面白味もありませんからね〜。
Posted by 野良猫 at 2004年08月16日 22:47
強盗をした者が反撃を受けるのは当然です。
まず他国の領土に強盗に出かけるのをやめるのが先決でしょう。
Posted by ゲスト at 2004年08月21日 15:47
>強盗をした者が反撃を受けるのは当然です。
>まず他国の領土に強盗に出かけるのをやめるのが先決でしょう。

前にも書いたことですが、結論は先に固定化させるものではなく、いくつもの検証や推考の末に出されるべきものです。また、今の結論に固執せず再検証する姿勢も求められます。
 
あなたにとって「他国の領土に強盗に出かけた」は自明の理かもしれませんが、こちらにとってそうではありません。ですから、そう考えるに至った過程、知識を得た史料などをあなたは説明しなければならないのです。

何かを「悪」と否定するのは簡単なことです。しかし、「正義」と思っている側がそうとは限りません。正確な把握が無い限り、そういうことをしたくはないのです。
 
僕は僕自身が知ることに関心があるのであって、あなたの考えを変えさせようという気はありません。
たとえば、「日本は中国を侵略したはずなのに、それを正当化しようとしている奴がいる。とんでもないことだ!」と思われても、こちらは一向に構いません。
 
自分以外の人間が、素朴な「善意」や「知的怠慢」の結果、誰かに「悪」のレッテルを貼り付けて喜んでいたとしても、それはその人の考え方というものですからね。

ちゃんと相手の主張に目を通し、自らの考えに検証を欠かさないのならば、そういう曖昧な感想は書かれないはずですからね。
・・厳しいかな?
Posted by ゲスト at 2004年08月21日 17:19
野良猫さんと名乗られる投稿者の方へ:

 私は貴兄と全く同じ立ち位置にある者です。 罪悪史観一色に塗りつぶされ歪曲されたのが戦後の日本社会でした。

日本の為に尽くした尊い人々を顕彰する意ことに意義を感じておられ、真実の歴史を発掘なされようとするその真摯な姿勢に心より敬意を表します。

野良猫さん、批判する人達を気にしたり、
まともに相手にする必要はありません。

極左である旧社会党及び共産党、
中道を装いつつその真実は、反日的朝日新聞等、左翼陣営の教育界、言論人、マスコミ等、これらの人々は皆、親旧ソ、親共産中国の要するに、マルクス・レーニン主義という現在では、人類史上最悪の結果をもたらしたパラノイアともいえる政治思想に、あたかもカルト宗教の信者のように洗脳された人々なのです。

どんなに貴兄のような立派な方が、誠意を尽くして話をしようとも、
カルトに洗脳された信者を説得させようとしているような不毛な努力です。

日本という国を売り渡しても、基本人権すら実現できない共産党独裁政権(日本帝国よりも酷い!)の共産中国や北朝鮮などに祖国を隷属させても、何の矛盾も感じないような知能や学識は高くても、特に極左の人達はほぼ精神的に異常な方々なのです。ですから(左翼の人達の全てとはいいませんが)、無駄な労力は惜しんでください。


また、そこまで極端でないにしろ、良識派といわれた中道左派の人々も、そのような勢力の影響を知らず知らずに受けている人たちなのです。

中道左派の人たちのほぼ半数は、昨今の北朝鮮の核攻撃の脅威と日本への恫喝が迫る中で、現実的認識(日本の安全保障)に立って物事を考えてくださる方々が増えてきました。これらの人々は同じ日本人として、大切にすべきだと考えます。

しかし、旧社会党、共産党、朝日新聞等は、60年代の学生の安保闘争時代から、ソ連、中国、北朝鮮などから、工作資金を裏で供与されていたことは公安が当時から明らかにしています。旧社会党は、ここ最近まで、北朝鮮系の朝鮮総連から献金を受け取っておりました。 公安当局は、それらを把握しておりましたが、政界やマスコミの左翼陣営が強かったので、なかなか表立って行動を起こせずにいました。

しかし、北朝鮮の国家犯罪とテロが明白な事実となった現在、小泉総理を中心とする現政府や公安及び内閣調査室、防衛庁等は着実に動いて動向を探っております。 

要するに、彼等は偏った政治イデオロギーで物事を判断している人達なのです。
十分注意してください。

 因みに、私は北米に在住しており、
国連は尊重しなければならないものの、
日本を守るためには何の役にも立たないものと考えております。

日米同盟しか、日本を守る道はありません。 しかし、その為に経済的にも外交的にも、日本はアメリカの植民地状態をぬけだせないというジレンマがあります。

平和憲法は、中ソに日本を譲りたいと願った戦後左翼と日本に核を持たせて独立させたくなかった米国との暗黙の共同プレーで
できあがったものです。その呪縛に気付かず、愚かにも日本国民自らがそれに自縄自縛状態になっているのです。

 真の日本の独立は、核武装しかありませんが、アメリカがそれを許さないでしょう。 

 因みに、私は、マルクス・レーニン主義は、人類最大の罪悪思想だとその実績から
断定しております。
但し、弱肉強食の米国型資本主義も、遠からず挫折すると米国内で永住して肌で感じています。

 日本は、マルクスレーニン主義とは源を異にする北欧型社会主義、修正社会主義等の、要するに、資本主義の競争原理の利点と政府による高福祉、計画経済を民間資本との折衷型経済体制が適している国民性ではないかと考えております。

頑張ってください。

天音創晶
Posted by ゲスト at 2004年10月22日 13:38
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