kojidoiさんからは度々トラックバックを送っていただき、それに返答するというやり取りが続いている。あちらの記事にある「
技の分類」のようなものにあまり意味は無いと思うが、議論する相手のタイプは何種類かに分類できるかもしれない。
kojidoiさんは「狙撃兵」タイプなんだろうなあ、と思う。基本的に議論というものは、違う意見をぶつける事で成立する。正と否がぶつかり合うことで「合」という新たな見解が生まれるからだ。ところが、狙撃兵タイプの場合は自らの立場や見解といった表明を極力避ける。「
反対するなら対案を出せ」にもあるように、議論の正面に立って対案を出す事を嫌う傾向にある。
その代わり「戦場」から離れたところから狙撃するのが、このタイプの強みだ。それが有効打となるとは限らないが、潜在的に同じ意見の人にとっては頼もしい「援軍」となる。同じタイプで連携し合う場合もあり、複数がサポートについた場所での議論は、いろいろ面倒な展開になりやすい。
……だが、一対一の場合はそれほどでもない。対処法はいくつもある。そんな所を踏まえてからレスをつける事にする。
>「国が燃える」について
この問題は厳密に言えば「自主規制」であって、「南京事件」そのものではありません。南京事件の代理戦争のような様相を呈しているが、それ以上のものではない。
今回の内容について否定的な人達は、日常的な情報戦の一環としてこれを警戒するか、史実を物語として取り扱う姿勢について問題にしている。車輪さんは前者であり、僕は後者に分類できる。まずは、政治的な主張を抜きにして調べ上げた「史実」という土台の上に、作者の「物語」が語られるのが、こういうジャンルの大前提となる。
「フィクション」と断りが入れてあったとしても、読者の多くはそれを主人公達の存在などに限った事とし、史実描写は現実に起きたものと解釈する。だからこそ、見解の分かれる史実上の事件を描く際は慎重にならねばならない。仮想戦記小説などの場合は、ifの名の下に全てを「物語」としているからこういう害は起きにくい。一種のファンタジーだと解っていればいいのだ。
本当の事と創作の境目が微妙なものほど、プロパガンダ効果が強く発揮される。だからこそ、それを恐れる車輪さん達の発言も理解できるのです。
作品休載までの流れを見てきた限りでは、作者は綿密な検証をした末に「南京」を描いたわけでは無かったようです。前のコメント欄で書いてきた推測は、本宮ひろ志に期待しすぎていたのかもしれません。先ほど見つけた
検証サイトでは、百人斬りに否定的な見解がありながら、南京では据え物斬りを行った描写をしている。作者の歴史観に迷いがあったのではないでしょうか。こちらでは、前のコメントで触れたニセ写真についても紹介されています。
>百人斬りについて
>それならば、ここでの証言者が見たものを「見ていない」と主張している
>可能性も疑わねば公正でない。
その可能性も極めて低い。敗戦で当時の日本軍が武装解除された当時、証言をする中国人が報復を受ける可能性がどの程度あり得るだろうか。現在の記録に残っている証言自体、東京裁判の証拠集めとして何度も調査した結果、やっと出てきた内容なのですよ。裁判経過に興味があるなら「ディベートから見た東京裁判」をどうぞ。
「死ぬのは」さんの所でも「百人斬りは可能!」というコピペが何度も貼られていましたね。
他人の主張はさておき、kojidoiさんは百人斬りがあったものだとお考えですか? 新聞記事が証拠と見るか、あるいは最近主張されている据え物斬り説か。日本刀は本当に百人斬る事が可能か。一度に百人は無理でも数振りを取り替えながら行ったとするか。あるいは一ヶ月の戦闘行軍の合間に刀のメンテを行いつつ、少しずつ殺害数を累積させていったのか。軍が宣伝高揚報道に協力するために、追撃戦を停止させてまで(戦線全てに影響が出る)百人斬りに協力したのか。そうだとしたら、隣接部隊へのそういう通達か命令書は存在するのか。
戦闘による戦果でなく、抵抗できない捕虜の殺害などを軍が後押しすれば、日清日露以来の捕虜尊重の評判が落ちると関係者が考えなかったのか……?
kojidoiさんは、僕のこういった疑問点を解消させてくれる見解をお持ちのはずです。
周囲の部隊まで協力させての大イベントだったとすれば、部隊記録や兵隊の日記などを含めた膨大な資料が存在するはずです。現在の刑事事件のように時系列を追って、具体的な殺害状況の把握すら可能でしょう。
そろそろ、ご自身で考えた見解を語っては頂けませんか? それも「対案を出す必要はない。あったものはあったからだ!」と沈黙されてしまうのでしょうか。
議論というのはお互いに意見を出し合わなくては進みません。指摘がしたいだけで傷つくのが嫌だとすれば、それも一つのやり方でしょうが、真似をしたいとは思わないですね。
さて、「狙撃兵」は詰め寄られた時にどんな対応をされるのか楽しみです(^_^)。
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